お芝居や本の中へふらふら迷い込みながら、気ままに生きる日常の記録。
page top
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
千秋楽
日本青年館「龍星」の千秋楽。
さすがに熱の高い舞台だった。気合が入りすぎるのか、台詞を噛んでしまう人がちらほらいたけれど。
瞳子ちゃんの龍星は、正直ドラマシティで見た時の、おりてきてるぞ!感を青年館ではあまり感じなかったのだけれど、今日はすごい気迫で、涙の滲む瞳の中に炎が見えた。

いきなり最後の挨拶の話。
キンさんの挨拶は面白くて、出演者や客席へ配慮のある素敵な挨拶だと思う。
この公演が宝塚の青年館公演史上最高の動員数だったこと、
お客様が師匠となってこの公演を育ててくれたのだ、ということ、
この公演で退団する真汐薪さんの経歴や感謝の言葉の代弁、そして、これはお別れではなく新たな旅立ちなのだ、ということ
韓国公演のこと(ヨン様もいいけれど、星組のわた様、瞳子様、ちえ様もよろしく)
少々噛み噛みしながらも(笑)楽しく的確に話してくれた。
そして、主演の瞳子ちゃんには、完全無欠の安蘭けい、という紹介で、誉め殺しにする作戦のようだった(笑)

瞳子ちゃんは挨拶の途中、涙が堪えきれないようで黙ってしまうこともあったけれど、何とか笑いにもっていってごまかそうとしていた。それでもかなり涙声だったり、言葉につまりながら、

この公演をやっていて、すごく孤独でした。これだけの人が出ているのに、からむ人も少なくて、下級生とも全然からまなくて、最後も玉座に一人で座って笑わなくちゃいけなくて、人間って結局孤独なんだな、って思いがあったけれど、今日はそれを改めました。こんなに大勢のお客様に見守ってもらえて‥‥幸せです。どんどん舞台も良くなって、下級生も成長して、今日で終わるのが寂しいです。何か退団するみたいに寂しいですが、それくらい、この公演と別れるのが悲しいです。本当に今日までありがとうございました。皆さん、愛してます。

というような挨拶があって、いい公演だったなぁ、と素直に思える締めつつりだった。

*「龍星」の感想*

*龍星*
瞳子ちゃんは絶叫系の歌の影響もあって、青年館では声が掠れているような、ちょっと本調子ではないなぁ、という声になってしまっていたのだけれど、今日は調子の良し悪しになど構わない、という最後の日ならではの捨て身(笑)の歌声で、それが龍星という役の緊迫感や瀬戸際さをよく表現していたと思う。
一番印象に残ったのは、最後の「天よ、私の名は龍星。天下の王である」という場面。「天よ」と天を仰ぐ眼差しは空虚で、あの大きな瞳に何も映っていないことに龍星の虚無感を痛いほど感じた。
多分私がこの公演を見ても、重い、辛い、苦しい、という感覚を味わわなかったのは、龍星の心が空ろで虚し過ぎるからだと思う。
あまりに空っぽで、だから泣けないのだろう。

最後に霧影があらわれるシーンで、龍星は部屋の有様を「いかなる刺客も身を隠せないように、わざとものを置かずに空ろにしてある」と説明するけれど、これはそのまま龍星の心中をあらわしているのかなと思った。
傷つかないように、心に何も置かない。
龍星の防衛本能。
それが崩れるのが、砂浬が逝ってしまうシーン。感情を殺し、人形として生きてきた龍星が、大切なものを喪う間際に、やっと生きた人間になる。自分を守るために感情を殺さないし、無意識の防御本能で動いているわけでもない、自分の意思で砂浬と約束をし、砂浬のために泣く。
この作品の中で、本当に龍星が生きているのは、あそこだけなんじゃないかといつも思っていた。だからあのシーンは切なくて悲しくてとても美しいんだと思う。

その、やっと人間になった龍星が、砂浬を、そして飛雪を失ってしまうことでまた人形になってしまう。
それに対して、どう反応していいのか私には最後まで分からなかった。理解できない、というより、理解したくないという意識。
理解したら、まさに底なし沼へようこそ、状態になりそうだから‥‥これは私の防御本能?(笑)

*砂浬*
南海まりちゃんは、出番が少ないこともあって、2幕の
「あなたの背中を見ていたら哀れに思えてきて」
「どうしてあの人を思う気持ちが止められないのだろう」
あたりの台詞はかなり唐突に感じるけれど、それを白々しく感じさせないだけの演技力があったと思う。
心の揺れを表現するような場面が、せめてもう1場面でも間にあればなお良かったと思うのだけれど、私の中では、砂浬の心が動いた理由は想像できたので(妄想したとも言いますがね)、砂浬の涙には素直に共感できた。
最後の死に際の台詞には、本当に毎回泣かされた。
南海ちゃんはじめ、演技力のある娘役に、本公演でもっと活躍の場が与えられることを切に願うばかり。
唯一残念だったのは、一回も髪型というか、髪飾りが変わらなかったこと。ヒロインなんだから、もうちょっと凝っても良かったのにな。

*霧影*
柚希礼音の真骨頂、といえる役だと思う。
愛されてまっすぐに育って、人から愛されることも、人を愛することも知っている。だから最後に、自分が本当は皇帝の息子であること、自分こそが宋の皇帝龍星であることを知っても、自分が崩れることがない。名前が何であっても、誰の息子でも、どんな血が流れていても、何も変わらないと思える。
その強さが、礼音くんのひたむきな若さとまっすぐな明るい目でよく表現されていて、本当にかっこ良かった。
ひたすらまっすぐ太陽に向って伸びる向日葵みたいな人だった。
見ていると幸せな気分になれる、というのは、とても素敵なことだと改めて思った。
このまままっすぐ伸びるんだよ、という気持ちと、でも宝塚の男役だからどこかに蔭りが欲しいな、という気持ちが入り混じるんだな、礼音くんを見ていると。

*花蓮*
陽月華ちゃんは、男勝りな見た目の裏にある可愛らしさの表現が抜群にうまかった。
1から10までピンクとフリルに縁取られるような役を平然とこなせる娘役が私はとても好きなのだけれど(退団しちゃったけれど、叶千佳ちゃんとかね)、こういう、何だこいつも可愛いところあるじゃん、的な役の似合う娘役もいいわね、と思った。
さすがに娘役さんだから殺陣は今ひとつ、というところもあったけれど、女戦士の凛々しさはよく出ていた。
私がウメちゃんに望むことは、もうちょっとお肉をつけてくれ、ということだけ(笑)

*飛雪*
何の疑いもなく、飛雪は龍星の素性に気付いていたんだろう、と思ったんだけれど、実際はどういう設定なんだろう?
くどいくらい「貴方は人の上にたつお方です」とか「生まれながらに皇帝なのです」とか言うから、龍星にそう言い聞かせているように思えたんだけれど。
まぁこの人ほど龍星好き好きオーラを発している人はいないというのがかなり面白くて(笑)、忠臣というか、下僕というか(笑)
飛雪がここまで龍星に男惚れした理由が是非聞きたい。

*皆さんのこと*
宰相夫人のかっちゃんが、とてもいい仕事をしたと思います。かっちゃんに関しては、太鼓を叩く姿の凛々しさも印象的です。
そして、専科のお二人は本当に素敵でした。さすがスペシャルコースです(笑)こういう本物の芸を持った人が活躍している公演というのは、見ていてとても楽しいです。

コメント

管理人にのみ表示


トラックバック
TB*URL

© 春夏秋冬~実りの季節. all rights reserved.
Page top
FC2 BLOG
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。